こんにちは!当ブログ管理人のあきです。
本業の傍ら、オンラインで日本語を教える副業を続けていますが、世界中の生徒さんと繋がる中で、「教え方」の奥深さに日々直面しています。
現在、私は主に「Preply(プレプリー)」という世界大手のプラットフォームを使ってレッスンを提供しています。 Preplyでの最初の関門であり、最もワクワクするのが「体験レッスン(初回授業)」です。ここで私は必ず、生徒さんに2つの質問を投げかけます。
- 日本語を学ぶゴールは何か?(試験対策、趣味の会話、アニメ、旅行など)
- 今、どんなテキストを使っているか?
ヒアリングをしていて圧倒的に多いのが、やはり初級の王道である『みんなの日本語Ⅰ』を使っている生徒さんたちです。独学で進めていたり、違う先生に途中まで教わったけれど、中断してしまい、他の講師を探しにくるパターンですね。
そのため、私のレッスンではまず、生徒さんが持ち込んできた『みんなの日本語(みん日)』をベースに、彼らのペースに合わせて一緒に進めていくところからスタートします。
『みん日』は文法中心でゴールが明確なので、文型を覚えて型(フォーム)通りに練習していけば、授業としての形はきれいに成り立ちます。お互いに達成感も得やすい教材です。
しかし最近、その『みんなの日本語Ⅰ・Ⅱ』を無事にやり遂げた生徒さんが、次のステップとして『いろどり』というテキストに移行した瞬間、講師として新たな壁にぶつかることになりました。
そもそも『いろどり』ってどんなテキスト?
ここで少し、新しく導入した『いろどり(生活の日本語)』について簡単にご説明します。
これは独立行政法人「国際交流基金」が開発した、主に日本で生活・就労する人のために作られた比較的新しい教材です(WEBで無料公開もされています)。 文法を順番にガチガチに学んでいく『みんなの日本語』とは異なり、「実際の生活の場面で、すぐに使える実践的なコミュニケーション(リスニングや発話)」に特化しているのが最大の強みです。
「せっかく初級の文法をやり切ったのだから、次はこの実践的なテキストで生きた会話力を磨こう!」
そう意気込んでスタートしたのですが、いざ授業を進めてみると、型通りの練習のようにはいかない現実が見えてきました。
「型通り」から「自分の言葉」へ切り替える難しさ
『いろどり』は、より実践的なコミュニケーションに焦点が当てられています。 タスク(目標)に沿って、「じゃあ、あなたの場合はどうですか?」「あなたの国ではどうですか?」と、生徒自身のシチュエーションに引き寄せた自由な会話へ展開していくことが求められる教材です。
ここで、講師としての難しさを痛感しています。
教科書に載っているモデル会話をリピートしたり、少し条件を変えて練習したりすることはスムーズにできるのですが、いざ「自分の言葉で自由に考えて話す」というフェーズに繋げようとすると、会話が急に失速してしまうのです。
なぜ、初級を終えたはずの生徒さんが、自分のことを話そうとすると言葉に詰まってしまうのか?
授業を観察していて気づいた原因は、文法の知識不足ではなく、圧倒的な「語彙(単語)の引き出し」の少なさにありました。
たとえば、自分の仕事や日常のちょっとした出来事を説明しようとしたとき、 「文法の形(〜ています、〜とき、など)は頭に浮かんでいるのに、肝心の『その単語』が出てこない」 というもどかしい表情を生徒さんが浮かべるのです。
日常会話をスムーズに展開するためには、教科書に載っている単語の枠を超えて、生徒個人に必要な語彙を補強していく必要性があることを強く実感しています。
講師として、今トライしていること
この課題をクリアするために、現在私はレッスンの中で以下のような試行錯誤を始めています。
- 「言いたかった単語」の即時フィードバック 生徒さんが詰まったとき、すぐに答えを教えるのではなく、ヒントを出したり、授業中に投影しているメモを通じて文字に起こして一緒に発音したりしています。
- 「単語+文型」のセットでインプット 単語単体で覚えさせるのではなく、「〇〇(新しい単語)を〜します」のように、会話でそのまま使えるフレーズとして型にハメ直す練習を取り入れています。
教科書通りに進めるだけなら簡単です。しかし、オンラインの個人レッスンを選んでくれた生徒さんが求めているのは、「自分の言葉で、生きたコミュニケーションができるようになること」のはず。
だからこそ、この「会話に繋げる難しさ」から逃げずに、どうやって生徒さんの語彙の引き出しを増やしていけるか、伴走者として工夫を続けていきたいと思っています。
まとめ:教えることは、学び続けること
今回の『いろどり』への移行は、生徒さんにとっての挑戦であると同時に、講師である私にとっても「教え方の引き出し」を試される大きな成長の機会になっています。
同じように、Preplyなどのプラットフォームで初級から中級へのステップアップや、教材の使い方に悩んでいる講師の皆さん。完璧な授業を目指す必要はありません。生徒さんのリアルな「言えないもどかしさ」に耳を傾け、一緒に一歩ずつ単語の壁を乗り越えていきましょう!

